ワークシートの追加

2024年9月25日にメンテナンス済み

VBA を使うことで、Excel の手作業で行っている操作を自動化できます。その中でも、ワークシートを追加する操作は非常に基本的でありながら有用なスクリプトのひとつです。

本記事では、VBA を使ってワークシートを追加する方法について具体例を交えて詳しく解説します。

VBA を使ったワークシートの追加方法

ワークシートを追加する基本コード

以下は、VBA を使って新しいワークシートを追加するための最も基本的なコードです。

ワークシートを追加する基本コード

Private Sub AddWorksheet()
    Worksheets.Add
End Sub

このコードを実行することで、VBA を記述した Excel ファイルに新しいワークシートが追加されます。

`Worksheets.Add`メソッドの使い方

ワークシートに名前を付ける

Worksheets.Addメソッドを実行すると、その返り値として追加されたワークシートオブジェクトを取得できます。このオブジェクトを使って、新しいワークシートに名前を付けることができます。

新しいワークシートに名前を付けるには、以下のコードを使用します。

Private Sub AddNamedWorksheet()
    Dim ws As Worksheet
    Set ws = Worksheets.Add
    ws.Name = "新しいシート"
End Sub

このスクリプトを実行すると、「新しいシート」という名前のワークシートが追加されます。

また、以下のように関数の引数として名前を指定することで、ワークシートの作成と名前の設定を同時に行うこともできます。

Private Sub AddNamedWorksheet(ByVal name As String)
  Dim ws As Worksheet
  Set ws = Worksheets.Add
  ws.Name = name
End Sub

名前が重複していた場合は？

既存のワークシートと同じ名前のワークシートを追加しようとするとエラーになります。この問題を回避するためには、後述するエラーハンドリングを追加します。

指定の位置にワークシートを追加する

新しいワークシートを特定の位置に追加するには、以下のコードを使用します。

指定の位置にワークシートを追加する

Private Sub AddWorksheetAtPosition()
    Dim ws As Worksheet
    Set ws = Worksheets.Add(After:=Worksheets(1))
    ws.Name = "後ろに追加"
End Sub

このスクリプトを実行すると、ワークシートが 1 番目のワークシートの後に追加されます。

複数のワークシートを追加する

複数のワークシートを一度に追加するにはループを使います。

複数のワークシートを追加する

Private Sub AddMultipleWorksheets()
    Dim i As Integer
    For i = 1 To 5
        Worksheets.Add.Name = "シート" & i
    Next i
End Sub

このスクリプトを実行すると、「シート 1」から「シート 5」までの 5 つのワークシートが追加されます。

ワークシートを追加する具体例

データベースを自動で生成する

例えば、特定のデータを持つワークシートを自動で生成するためには以下のようにします。

Private Sub AddAndFillWorksheet()
    Dim ws As Worksheet
    Set ws = Worksheets.Add
    ws.Name = "データシート"

    ' 見出し行を追加
    ws.Cells(1, 1).Value = "ID"
    ws.Cells(1, 2).Value = "名前"
    ws.Cells(1, 3).Value = "年齢"

    ' データ行を追加
    Dim data as Variant
    data = Array( _
        Array(1, "田中太郎", 30), _
        Array(2, "山田花子", 25), _
        Array(3, "佐藤次郎", 35) _
    )

    Dim i As Integer
    For i = 0 To UBound(data)
        ws.Cells(i + 2, 1).Value = data(i)(0)
        ws.Cells(i + 2, 2).Value = data(i)(1)
        ws.Cells(i + 2, 3).Value = data(i)(2)
    Next i
End Sub

このスクリプトを実行すると、“データシート”という名前のワークシートが追加され、見出し行とデータ行が自動で入力されます。

条件に基づいてワークシートを追加する

例えば、特定の条件（例：特定のセルに値がある場合）に基づいてワークシートを追加する方法です。

Private Sub AddWorksheetIfConditionMet()
    If Range("A1").Value = "追加" Then
        Dim ws As Worksheet
        Set ws = Worksheets.Add
        ws.Name = "条件付きシート"
    End If
End Sub

このスクリプトは、セル A1 の値が「追加」である場合に「条件付きシート」という名前のワークシートを追加します。

トラブルシューティング

ワークシートの名前重複エラー

既存のワークシートと同じ名前のワークシートを追加しようとするとエラーになります。この問題を回避するためには、エラーハンドリングを追加します。

Private Sub AddUniqueWorksheet()
    On Error Resume Next
    Dim ws As Worksheet
    Set ws = Worksheets.Add
    ws.Name = "ユニークシート"

    If Err.Number <> 0 Then
        MsgBox "同じ名前のシートが既に存在します"
        Err.Clear
    End If
End Sub

このスクリプトは、重複する名前が存在する場合にエラーメッセージを表示します。