
もう損しない!現役会計事務所SEが教える経理向けPCの選び方とスペックの目安
2022-3-29
2021-8-4
突然ですが、皆さんはPCについてこのような印象をお持ちではありませんか?
- まともな端末を選ぼうと思ったら、10万円以上は当たり前
- デスクトップPCとノートパソコンを選ぶ基準に違いはない
- 国産メーカーのPCでないとすぐ壊れるんじゃないか
会計ソフトの使用を含む、会計事務所で行うすべての業務を快適にこなすことが目的であれば、10万円以下のパソコンでも十分に可能です。もちろんOffice付きの端末であってもです。
確かにPC選びは意識しないといけない点が多く、そのうちの1つが欠けているだけで著しく性能が落ちてしまうことがあります。
そのためベンターに任せきりになっていたり、「高いものを買っておけば間違いない」といった判断になりがちです。
この記事を読んでいただくことで、パソコンを選ぶ際にどの部分にお金をかければ良いのか、またどの部分はお金をかける必要がないのかを理解していただけます。
ベンダーとの付き合いで購入先を選択できないという方も、スペックの参考にしていただければ幸いです。
この記事で紹介する各パーツの最低ライン
まずはじめに、この記事で紹介する各パーツにおいて、最低限必要だと判断する基準値をまとめておきます。
パーツ名 | 最低ライン |
---|---|
ストレージ | SSD 256GB |
CPU | ノートパソコン: core i5またはryzen5、デスクトップパソコン: core i3またはryzen3 |
メモリ | 8GB |
GPU | CPUの内臓GPU |
デスクトップ・ノートパソコンを問わず必須な選択
ストレージは必ずSSD
パソコンに内蔵されているパーツはいずれも動作に欠かせない重要なもので、いずれか1つの性能が著しく低いだけで、PC全体の動作のボトルネックになってしまいます。
その中でも特に影響が大きいのがストレージです。
パソコンを立ち上げるとまず最初にOSが実行されますが、実行のためにOSのデータを読み込む必要があります。
この際に影響するのがストレージですが、その読み取り速度が遅いとなかなかパソコンが立ち上がりません。
これがHDDとSSDでは10倍以上の差があります。
OSにかかわらず、あらゆるソフトを立ち上げる上でまず最初にデータを読み込む必要があるため、ストレージの選択はとても重要です。
CPUが最重要であると紹介しているサイトも多いですが、そもそも処理の対象であるデータの取得に時間がかかっていては意味がありません。
廉価グレードを選択する場合も最低限ストレージはSSDを搭載したものを選ぶようにしましょう。
中古PCであればPC NextやUsed Funなどが品質が高く価格も安いですが、中古PCでもストレージがHDDであれば無条件で選択肢から除外して良いと思います。
CPU
ストレージの次に意識しておきたいのはPCの頭脳とも呼ばれるCPUです。
CPUについてはデスクトップPCとノートパソコン、同じ基準で判断することができません。
これに言及しているメディアはとても少ないですが、処理の中心を担うCPU選びにおいてとても重要です。
より意識する必要のあるノートパソコンから説明します。
ノートパソコンの場合
CPUは基本的に省電力版が採用されている
ノートパソコンに搭載されているCPUは、小さいバッテリーでも使用に影響が出ないよう、パワーの弱い省電力版が採用されているケースがほとんどです。
CPUの型番の末尾に「U」「S」「T」がついていれば、基本的に省電力版だと判断して良いでしょう。
CPUの各グレード(i3, i5など)はデスクトップとノートで同じものが使用されていますが、その性能は倍以上の差がある場合もあります。
ですのでノートパソコンを選ぶ際は、デスクトップPCのCPUよりも高いグレードを選択する必要があります。
ただデスクトップとノートの各グレードの価格はあまり大きく変わらないため、同様のスペックであってもノートパソコンの方が金額が高くなるのが一般的です。
具体的に言えば、Intel製CPUであればcore i5以上、AMD製CPUであればRyzen5以上あれば動作に問題はないと思います。
ryzen 5、Office搭載で8万円台のPCの例(Amazon)
※ 半導体不足の影響で、商品在庫や価格に変化がある可能性があります。
デスクトップPCの場合
デスクトップPCの場合、ノートパソコンに比べて非常に大きい容量の電源を持っており、その電力量を生かして安定した動作を実現しています。
そのためCPUについてもよほど性能の低いもの(CeleronやAthlon)を選ばない限り、動作が重たくなるようなことはないでしょう。
Intel製CPUであればcore i3以上、AMD製CPUであればRyzen3以上あれば動作に問題はないと思います。
※ 半導体不足の影響で、商品在庫や価格に変化がある可能性があります。
メモリ
3番目はメモリです。
ストレージが収納であればメモリは作業台とよく例えられる通り、ソフトウェアが実行中に作業のため一時的に保存する領域がメモリです。
クラウドが主流になっている今、メモリは重要
Webブラウザはインターネット上のコンテンツにアクセスするため、直接ストレージにアクセスする機会は少ないですが、その分メモリを必要とします。
会計ソフトも現在クラウド系がシェアを伸ばしており、Webブラウザの活用は今まで以上に増えていくため、メモリは十分な容量を確保しておく必要があります。
たとえ所内でクラウドの導入をあまり検討されていない場合でも、ソフトウェアが使用するメモリの量は年々増えていっているため、少なくとも8GB以上を考えたほうが良いでしょう。
GPU
最後にGPUについてです。結論から言えば、GPUは付属していない端末で十分です。
GPUは映像処理に特化した処理装置で、暗号資産ブームでマイニングにも使用されていることで耳にした方も多いかと思います。
GPUもコンピューターには欠かせないパーツですが、CPUには多くの場合(少なくとも、GPUを搭載していない端末は全て)内臓GPUを兼ね備えています。
独立したGPUと比較すると性能は低いものの、経理だけであればこの内臓GPUだけで十分といえます。
例外
GPUは映像処理に特化していると前述しましたが、ディスプレイの描画処理も、映像処理の一つです。
あまりないとは思いますが、4K出力のディスプレイとつないで、デュアルディスプレイで作業したい場合などでは、内臓GPUでは力不足かもしれません。
あっても無駄ということはない
前述しましたが、GPUはディスプレイの描画処理にも使用されます。
また、Excelには演算する際、積極的にGPUを使用する機能があるようです。
必ずしも必要ではありませんが、あっても全く無駄になるということはありません。
注意点
あまりに古すぎる端末に注意
前述しましたが、CPUには目安となるグレードが存在します。i3やi5, Ryzen7などです。
これらは製造された年にかかわらず定義されていますが、この製造された年にも注意が必要です。
一般的に「〇〇世代core i7」などと呼ばれたりしますが、同じグレードであってもこの世代が古いと、性能に大きな差が生まれます。
2021年現在でいえば前述したCPUの条件に加えて、Intel製であれば9世代(型番の先頭の数字が9)、AMD製であれば3世代(型番の先頭の数字が3)以降を選択しておけば問題ないでしょう。
AMDとIntelについて補足
まだまだ「CPUといえばIntel」という印象を持たれる方は多いと思いますが、AMD製の4世代Ryzenシリーズの登場によりIntelがCPUの価格を下げ、性能からコストパフォーマンスへシフトしました。
一般的にこれによってIntelがAMDに事実上敗北したといわれています。
Ryzenが台頭して間もないころは、RyzenのアーキテクチャにOSがうまく対応できていない問題などもありましたが、現在では解決しています。
AMD製のCPUを選択肢から外す材料はほぼなくなったといえるため、特別CPUのメーカーにこだわる必要ななくなったと思います。
-- 2022年3月追記 --
12世代インテルCoreプロセッサの台頭により、インテルがシェアを巻き返しているようです。
ただ、いずれにしてもCPUをメーカーで選り好みする必要はないので、必要なスペックを満たしていれば、メーカーを問わず選択肢に加えて良いと思います。
日本製にこだわりたい方へ
経験則ですが、確かに日本製のPCは壊れにくく品質が高い印象があります。
ただ、その印象のためだけに払う付加価値としては、あまりに高すぎるとも思います。
今回は日本製にこだわらなくてもよい、ということを1つのコンセプトにしていますが、日本製でもコストパフォーマンスの高いパソコンは存在します。
少し上級者向けになってしまいますが、おすすめはPCパーツから希望するものを選択し、受注生産を行うBTOパソコンです。
パーツを選ぶといっても1から全てを決める必要はなく、予め組み合わせのベースが決まっていることも多いため、安くPCを購入することができます。
2022年3月現在、購入してもいい端末
今回ご紹介したスペックを満たし、僕が購入してもいいと思えるPCをピックアップしました。
購入するパソコン選びの一助となれば幸いです。
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